坂道が多い長崎県

長崎港

坂道が多いことで有名な長崎

長崎が坂の多い街として知られる理由は、地形的特徴よりも、歴史的な形成過程に由来します。
長崎が都市として発展したきっかけは、ポルトガル人の来航と大型船の入港が可能な湾であり、そのために水深が深く沈水型である湾が選ばれたことから始まります。
この湾周辺に街が広がっていく過程で、急激な高低差があるため、長崎は坂の多い街として形成されました。
また、地形的に平らな場所がないため、人口が増えるにつれて山を切り崩して住宅地を造成し、石畳の坂道が整備されてきました。
一方、長崎市内にある平坦地は、すべて埋め立て地であり、昔から海や河川を埋め立ててきたため、全てが坂になっています。
加えて、長崎の山々は段々畑が多く作られており、人口が増えるとともに、畑が宅地に変わって斜面に適した町が形成されました。
長崎市が坂の多い街である理由は、地形的特徴よりも、長い歴史の中での造成過程によるものであることがわかります。

急坂ベスト3

長崎県にある急坂について紹介しましょう。

福山雅治さんが命名した「きゃあまぐる坂」

1位は勾配が約35%、角度が20.8度を記録した飽の浦町の九州電力飽ノ浦変電所前にある坂です。
「飽の浦バス停」手前から「九電飽の浦変電所」に上る坂で約180m続きます。
長崎市出身のシンガーソングライターである福山雅治さんが命名した坂で「きゃあまぐる坂」とは長崎弁で「気絶するほどとてもキツイ坂」という意味だそうです。
福山さんが2015年夏の稲佐山ライブにあわせて企画された競争イベント「きゃあまぐる坂GP」で名づけられました。
イベントは地元の青年協会が「福山雅治杯」という名で引継ぎ、以降、毎年開催され、知名度も全国区になりつつあります。

長坂横の坂

諏訪神社の社殿までそのまま車で行ける急坂です。
諏訪神社といえば長坂が有名ですが、長坂下の踊り場馬から病魔退散大楠と太鼓楼の横を抜けて拝殿へと上り坂でかなり急になっています。
最大斜度は18.9度で、交通安全祈願のために車やタクシーがこの坂を登っていくのですが、タイヤをホイルスピンさせながら登っていくのは見慣れた光景です。

赤迫保育園の坂

長崎市北部、市電の終点にある赤迫町近辺は急坂の多い地域です。
その中でも最も急で距離が長いのが、保育園の入り口を通って、カーブを抜けてマンションへ至るのがこの坂。
最大斜度は17.1度で公道としては長崎で一番の急坂といえるでしょう。