広島県呉市は、美しい自然や歴史、文化、地域産業など、多くの地域資源を有した都市です。
映画「この世界の片隅に」で随所に見られた通り、坂が多い街でもあります。
眼前には海が広がりますが、北には灰が嶺(737m)、南は休山(497m)という山に囲まれたすり鉢型で、山の中腹まで住まいが広がっています。
みかんやレモン、トマトなどの農産物にタチウオやカキといった海産物なども有名です。
呉市に坂道が多い理由
市街地が瀬戸内海に面しているため、周囲を山に囲まれた谷間に位置していることが原因の一つです。
また、呉市は古くから軍港として栄えてきた歴史があります。
そのため、かつての軍需工場や海軍施設などは山間部に建てられ、従業員が住むための住宅地も坂の多い地域に造られました。
このため、呉市の一部地域には坂が多く、交通量の多い場所には急な坂道も多く存在しています。
両城の200階段
映画「海猿」のロケ地となった場所です。呉市両城の住宅地に突如として現れる階段で実際は260段近くあるのだとか。
映画では潜水士を目指す海上保安官たちが酸素ボンベを抱えて階段を駆け上がる訓練のシーンが有名です。
遠目からみても、かなり急こう配。
実際に登ってみると、階段の勾配がどんどん急になっていき、登りきれるのか不安になるほど。
苦労して登ると、呉市内を見渡せ、海や造船所も見えます。夜景スポットとしても有名だそうです。
なお、映画の演出で実際に潜水士が訓練することはないとのこと。確かに勾配がきついので大変危険です。
もし、踏み外したり、転んだりしたら大けがにつながりかねません。
この階段は観光スポットとしてガイドブックにも載っていますが、周りは民家や私有地のためマナーを守って楽しみましょう。
呉市は急こう配な地形に住宅が連なる風景が多いのだそう。急斜面に立った家が多く、両城の200階段のように長い階段が多く見られました。
バスが引き返すほどの坂道
映画「この世界の片隅に」で木炭バスが終点の辰川へ向かう中、坂道を登れず途中で降ろされるシーンがあります。
映画の時間軸は太平洋戦争中なので、仕方ないかもしれませんが、現代でも冬場には道路の凍結によって登れなくなり、近場でUターンして引き返すとのこと。
映画では道は狭く、バスの運転も大変だったでしょう。脱輪事故も多かった場所でもあります。
この路線は呉市内でもトップクラスの利用率で、安定した黒字を出している路線だそうです。