函館の代表的な観光地「八幡坂」
北海道函館市は「坂の街」としても知られ、元町エリアを海沿いに走る数々の坂が観光の目玉となっています。その中でも特に有名なのが、「八幡坂」です。この八幡坂は、日本経済新聞の「なんでもランキング」で「訪れたい坂日本一」に選ばれるなど、その景観の素晴らしさから多くの観光客を魅了しています。
八幡坂は、ベイエリアに向かって直線に伸びる全長270mの坂道です。赤レンガの倉庫が並ぶ海沿いの風景から一直線に上っていくと、目の前に函館山が姿を現します。坂の途中には石畳が敷き詰められ、レトロで洗練された雰囲気を醸し出しています。両脇の歩道も石の階段になっており、景色にアクセントを加えています。
坂の上からは、函館湾を一望できる絶景が広がります。眼下に広がるのは、かつて青函連絡船として活躍していた「函館市青函連絡船記念館摩周丸」。さらに遠くには、異国情緒あふれる元町の教会群や函館山の姿が見えます。晴れた日には、遠くの山々までくっきりと見えるとのことで、爽快な気分に浸れるでしょう。
この八幡坂は、函館市のさまざまな観光PRにも使われており、特に食器用洗剤のCMロケ地として有名になったことで、一時は「チャーミーグリーンの坂」とも呼ばれていたほどです。今でも地元の人の間では、正式名称の「八幡坂」よりも「チャーミーグリーン坂」の方が通用するほど、この愛称が定着しているのが特徴的です。
坂の周辺には見どころ満載
八幡坂の周辺には、見どころが盛りだくさんです。坂の上から西に向かえば、ロープウェイ山麓駅のある方向に、風見鶏の屋根飾りが印象的な元町カトリック教会をはじめ、異国情緒あふれる教会群が広がります。一方、東に向かえば、旧函館区公会堂や元町公園もあり、港町ならではの風景が楽しめます。
さらに、坂の途中には、元町の雰囲気に溶け込むおしゃれなショップが点在しています。自家焙煎のコーヒーを味わえる「元町珈琲店」などは、歩き疲れた際の休憩にぴったりです。景色を楽しみながら、のんびりと寄り道しながら散策するのも魅力的ですね。
八幡坂の先に広がる歴史の地
八幡坂の頂上を過ぎ、さらに細い坂を上っていくと、大きな鳥居が姿を現します。それは、北海道最古の神社と呼ばれる「船魂(ふなだま)神社」です。この神社は、平安時代の1135年に創建されたといわれ、800年を超える歴史を持っています。
船の安全や大漁祈願などを願う神社として、地元の漁師たちに長く親しまれてきました。境内には、源義経が兄の頼朝から逃れ、ここに上陸したという伝説もあり、義経が渇いた一行に水を教えたという「童子岩」も残されています。
船魂神社からは、函館湾全体が一望できる絶景が広がります。坂を登ってきた疲れも、一瞬にして吹き飛んでしまうでしょう。
函館の代表的な観光地である八幡坂は、その景観の美しさから「訪れたい坂日本一」の称号を得ています。しかし、それだけではなく、周辺には見どころ満載の観光スポットが集まっており、のんびりと散策しながら、函館の魅力を堪能できる場所なのです。